前回までのあらすじ
白木のカウンターに流れる、贅沢な沈黙
銀座の裏通り。並木通りから一本入った路地裏に、その店は静かに佇んでいる。看板は小さく、余計な飾りを削ぎ落とした外観は、知る人ぞ知る隠れ家そのものだ。暖簾をくぐると、磨き抜かれた白木のカウンターが目に飛び込んでくる。香ばしい出汁の香りと、職人が素材を扱う微かな包丁の音が、心地よい緊張感とともに私を包み込んだ。
「素敵なお店ですね、●●さん」
琴葉さんは、席に座るなりそう言って微笑んだ。彼女の所作は、やはりどこまでも美しい。椅子に腰掛ける瞬間の背筋の伸び方、バッグを置く位置、そしておしぼりで指先を丁寧に拭う一連の動き。24歳という若さで、これほどまでに洗練されたマナーを身につけている女性は、ユニバース倶楽部の中でもそう多くはないだろう。
まずはシャンパンで乾杯する。細かな泡がグラスの中で踊り、琥珀色の液体が喉を潤していく。彼女は一口飲むごとに、幸せそうに目を細める。
その表情は、先ほどまでの「完璧な受付嬢」から、一人の「シゾンという男を前にした女性」へと移り変わっていくようだった。58歳の私にとって、この変化の瞬間こそが、贅沢な時間の始まりを告げる合図だ。
旬の味覚と、視線の交錯する食卓

運ばれてくる料理は、どれも一級品だ。先付けとして出されたのは、春の訪れを感じさせる山菜のお浸しと、身の締まった白身魚の昆布締め。素材の甘みが極限まで引き出された一皿に、彼女は「美味しい……」と小さく吐息を漏らす。続いて提供された椀物の蓋を開けると、柚子の香りがふわりと立ち上がり、二人の間の空気を優しく包み込んだ。
彼女は食事の際、余計な言葉を口にしない。美味しいものを、心から味わっていることがその表情から伝わってくる。今の若い世代には珍しく、食事中にスマートフォンに触れることもない。
ただ、時折、箸を止めて私の目を見る。その瞳には、言葉以上の何かが込められているような気がして、長年ビジネスの最前線で戦ってきた私でも、少し気後れしそうになる瞬間があった。
「●●さんのおすすめしてくださるお店は、いつも私の想像を超えています」
彼女の呟きは、静かな店内に溶け込んでいく。私は彼女のグラスが空く前に、さりげなく次の酒を勧めた。今夜は、キリリと冷えた辛口の日本酒を選んだ。彼女の「酔うとどうなるか自分でも怖い」という言葉が、不意に脳裏を掠めたからだ。だが、彼女の酒の進み方は、至って冷静で、品格を保ったままであった。その安定感こそが、後の豹変をより際立たせることになるとは、この時の私には予想もできなかった。
「5人」という数字に隠された、大人の嘘と駆け引き
食事も中盤に差し掛かった頃、彼女がふとした拍子に私に問いかけてきた。その声は低く、しかし確かな重みを持って私の耳に届いた。
「●●さん、失礼なことを聞いてもいいですか? 今、私みたいにお付き合いされている女性って、何人くらい、いらっしゃるんですか?」
不意を突かれた。
交際クラブという場所柄、他に相手がいることはお互い承知の上だ。しかし、それを直接口に出して問われることは稀である。
私は一瞬、答えに窮した。正直に答えるべきか、それとも少なめに申告して誠実さをアピールすべきか。亡き妻との日々を胸に抱きつつも、今この瞬間の「男としての価値」を問われているような気がして、私はわずかにおろおろしてしまいそうになる自分を、日本酒で流し込み、冷静さを取り戻した。
努めて平然とした声を装い、私は答えた。
「そうだね……5人くらいかな」
嘘である。
実際には、もう少し多い時期もあれば、一人の相手に深くのめり込んでいる時期もある。だが「5人」という数字は、適度にモテる男を演出しつつ、一人一人を蔑ろにしていないと思わせる、絶妙な「大人の嘘」のラインだと思っていた。
すると、琴葉さんは驚く風でもなく、ふっと口角を上げた。そして、私の目を真っ直ぐに見つめ返して言ったのだ。
「奇遇ですね。……私もなんです。私も、今5人の方と並行してお会いしています」
「ははは、そうなんだ。同じだね」
私たちは顔を見合わせ、声を殺して笑った。だが、その笑い声の裏側で、お互いに確信していた。「5人」という数字は、お互いにとって完全な嘘であることを。彼女のようなプラチナクラスの美女に、たった5人の相手で済むはずがない。そして私の方も、彼女が私の言葉を額面通りに受け取っていないことを確信していた。
この瞬間、白木のカウンターの上に漂っていた「清楚」と「紳士」という薄い膜が、音を立てて剥がれ落ちたような気がした。
私たちは、お互いに嘘をつき、その嘘を楽しんでいる。それは、この銀座という街で出会った男女に許された、高度な心理戦であった。58歳の私の経験値と、24歳の彼女の天賦の才がぶつかり合う。空気は一変し、そこには心地よい緊張感と、隠しきれない色香が漂い始めた。
銀座の夜風と、静寂のホテルへの道程
デザートの葛切りを平らげ、温かい茶で喉を潤す。店を出ると、夜の銀座は先ほどよりも一層深い色合いを見せていた。冷たい空気が、酒で火照った頬に心地よい。並木通りを歩く私たちの足元を、街灯が長く、淡く照らし出す。
「少し、歩きましょうか」
私は彼女を促し、人通りの少なくなった路地を選んで歩いた。彼女は何も言わず、私の隣を歩く。その足取りは、先ほどよりも少しだけ危うげに見えた。酒のせいか、それともこれから始まることへの期待のせいか。彼女の体温が、触れ合う肩越しに伝わってくる。
58歳という年齢は、人生を悟るには早すぎ、しかし若さに溺れるには遅すぎる。
私は横を歩く彼女を見つめながら、これから起こるであろう事象を頭の中でシミュレーションしていた。だが、それはあまりにも無意味な行為だった。
「近くに、静かな場所を予約してあるよ」
私の誘いに、彼女は言葉で答えることはなかった。ただ、静かに頷き、私の腕を強く、本当に強く掴んだ。その力強さは、清楚な見た目からは想像もつかないほどで、私は一瞬、腕に痛みすら感じた。その指先の熱が、私の体内に火を灯す。
「行きます?」——嵐の直前の出陣
「……行きます?」
彼女が、掠れた声で私を誘うように言った。その言葉は、もはや問いかけではなく、命令に近い響きを持って私の鼓膜を震わせた。彼女の瞳の奥には、底なしの深淵が広がっているようだった。
私は彼女をエスコートし、銀座の喧騒を背に、静寂が支配するホテルのエントランスへと吸い込まれていった。重厚な扉の向こう側に広がるのは、都会の喧騒を完全に遮断した、二人だけの密室だ。
チェックインを済ませ、エレベーターの静かな振動を感じながら、私は自分の中の鼓動が早まっていることに気づいた。ハンドクリームをくれたあの時の優しさは、一体どこへ行ったのか。隣に立つ彼女は、先ほどまでの「清楚な女性」とは、明らかに纏っている空気が違っていた。
部屋のドアを開け、カードキーを差し込む。照明が点灯し、モダンなインテリアが浮かび上がる。しかし、その贅沢な空間も、彼女の存在感の前では背景に過ぎなかった。
「●●さん……」
彼女が私の名前を呼び、ゆっくりとコートを脱ぎ捨てる。 これから始まるのが、単なる大人の一夜ではなく、58歳の私の生命力を極限まで削り取るような「戦い」になる
(第三話へ続く)
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